やり方:ルールは1つだけ
1日のうち「食べていい時間」を8時間に区切り、残り16時間は食べない。これだけです。
例:12時〜20時の間に昼食と夕食をとり、20時から翌日12時までは食べない(=朝食を抜く形が一般的)。断食中も水・お茶・ブラックコーヒーはOKとされています。睡眠8時間が断食時間に含まれるので、体感は「朝食を抜くだけ」に近いです。
研究は何と言っているか(ここが大事)
16時間断食はめずらしく、しっかりした研究がいくつもあります。代表的なものを2つ。
研究1:肥満の方139人を1年間追跡した中国の研究では、「カロリー制限のみ」のグループと「カロリー制限+時間制限(8時間)」のグループで、減量効果はほぼ同じでした(参考1)。つまり、時間制限そのものに追加の魔法はなく、効いているのはカロリーの減少だった、ということです。
研究2:16:8断食だけを指示した(カロリー指示なし)アメリカの研究では、減量効果は小さく、筋肉などの除脂肪量が減る傾向も報告されました(参考2)。
「オートファジー(細胞のお掃除機能)が活性化して痩せる」という説明をよく見かけますが、オートファジー研究自体は細胞レベルのもので、「ヒトが16時間断食すると痩せやすくなる」という証拠としては確立していません。期待しすぎないのが正直なところです。
メリット
ルールが1つで、考えることがない
カロリー計算も栄養の知識も不要。「時間を守るだけ」なので、ズボラな人ほど続きやすい方式です。
自然と総カロリーが減る
1食分(特に朝食)が消えるので、意識しなくても1日400〜500kcal減る人が多い。これは体脂肪に効く規模です。
食費と時間の節約になる
朝食の準備・購入がなくなる分、お金と朝の時間が浮きます。
デメリットと向かない人
空腹の反動でドカ食いする人には逆効果
「16時間我慢→解禁でラーメン+デザート」では、普通に食べるよりカロリーが増えます。0か100かタイプの人(昔の私です)は要注意。
筋肉が減りやすい
たんぱく質を摂れる時間が短いので、何も考えないと筋肉が落ちやすい(研究2でも示唆)。8時間の中でたんぱく質をしっかり摂る工夫が必要です。
向かない人
朝に力仕事や運動をする人、低血糖になりやすい人、持病で服薬中の人(食事のタイミングが大事な薬があります)は、始める前に医師に相談してください。
日本の会社員生活との相性
実は相性は悪くありません。飲み会は夜にあるので、「12時〜20時」の窓に収まりやすいんです。昼の定食も普通に食べられます。
一方で崩れやすいのは、家族との朝食がある家庭。子どもと一緒に朝ごはんを食べる習慣があると、自分だけ食べないのは続けにくいし、家族の空気も微妙になります。私が16時間断食を主軸にしなかった一番の理由はここです。わが家は「家族と同じ食事」を最優先にしています。
私のサイトの基準で評価すると
「続けやすさ」を最重視するこのブログの基準で言うと——朝食をもともと食べない人・一人暮らしの人には、かなり優秀な仕組みです。逆に、家族と朝食をとる人、空腹の反動が出る人には不向き。
そして大事な注意をひとつ。時間だけ守って、8時間の中身が菓子パンと揚げ物なら痩せません。結局、中身はPFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)です。時間制限を使うなら、「たんぱく質20g以上・脂質15g以下」の選び方と組み合わせるのが、一番確実です。
参考にした研究・資料
- 参考1:Liuら(2022, The New England Journal of Medicine)— カロリー制限に時間制限食(8時間)を加えても、12ヶ月の減量効果はカロリー制限単独とほぼ同等だった
- 参考2:Loweら(2020, JAMA Internal Medicine)— 16:8の時間制限食単独では減量効果は小さく、除脂肪量の減少が見られた
※研究は対象者や条件によって結果が変わります。あくまで参考として紹介しています。
この記事は一般的な情報と運営者個人の体験・考えをまとめたものです。効果には個人差があります。持病がある方、治療中の方、妊娠中の方、極端な食事制限を考えている方は、医師など専門家に相談してください。