脂肪1kgを増やすには、約7,200kcal必要
まず計算の話をします。むずかしくないので安心してください。
脂肪は1gで約9kcalのエネルギーを持っています。体についている脂肪(体脂肪)は約2割が水分などなので、純粋な脂肪は1kgあたり約800g。つまり、体脂肪1kg分のエネルギーは 9kcal × 800g = 約7,200kcal になります。
焼肉でおもいっきり食べた日でも、食事全体で2,500〜3,500kcalくらいです。いつもより多く食べた分(オーバー分)は、せいぜい1,000〜1,500kcal。これを脂肪に換算すると——
| 食べ過ぎた量 | 脂肪になる量(最大でも) |
|---|---|
| +720kcal(ラーメン1杯分くらい) | 約0.1kg |
| +1,500kcal(かなりの食べ過ぎ) | 約0.2kg |
| +7,200kcal(現実的にほぼ無理) | 1kg |
※実際は食べた分の一部はエネルギーとして使われるので、これより少なくなります。
つまり、「一晩で脂肪が1kg増える」のは計算上ほぼ不可能なんです。
じゃあ、増えた1kgの正体は? → ほぼ「水分」です
体重計が示した「+1kg」の中身は、主にこの3つです。
塩分が水を抱え込む
濃い味の食事やお酒のおつまみには塩分が多く入っています。体は塩分の濃さを一定に保とうとして、水分をため込みます。これが「むくみ」です。
炭水化物は水とセットで貯まる
ごはんや麺の糖は「グリコーゲン」という形で体に貯められます。このとき、糖1gにつき約3gの水もいっしょに貯まることが研究で知られています(参考1)。ごはんをたくさん食べた翌日に重くなるのはこのためです。
おなかの中の食べ物そのものの重さ
消化される前の食べ物や飲み物の重さも、そのまま体重計に乗ります。1Lの水を飲めば、その瞬間は1kg増えます。当たり前ですが、これは脂肪ではありません。
「食べ過ぎたのに増えてない」朝に起きていること
逆のパターンも同じ理屈です。寝ている間に汗や呼吸で水分が抜けたり、トイレに行ったり、前日までのむくみがちょうど取れたタイミングだったり。水分の出入りがたまたま「食べ過ぎの重さ」と打ち消し合っただけのことが多いです。
だから「増えてないからセーフ!」でもないし、「増えたからアウト…」でもありません。体重計は1日単位だと、脂肪ではなく水分の動きを見ているようなものなんです。
ちなみに、フィンランドの研究チームが約80人の体重を長期間記録したところ、体重は週末に増えて、平日にかけて減る「1週間のリズム」があることが分かっています(参考2)。週末に増えるのはみんな同じ。大事なのは平日に戻すことでした。
私の実例:焼肉の翌朝はだいたい「+1kg」
私は100kgからダイエットを始めて、13ヶ月で78.55kgになりました。その間、焼肉も飲み会も普通にあります。
経験上、焼肉の翌朝はだいたい1kg前後増えます。いつも通りの食事に戻すと、2〜3日でスッと戻るときもあれば、5日〜1週間かかるときもあります。ここで大事なのは、戻りが遅くても落胆しないこと。これを何十回もくり返して、「翌朝の増加は水分。遅くても必ず戻る」と体で覚えました。
100kgの頃の私は、この「翌朝の+1kg」を見て「もうダメだ」とヤケになり、その日の夜にドカ食いしていました。本当に太る原因は食べ過ぎた日ではなく、翌日からの自暴自棄だった——これが13ヶ月で一番大きな学びです。
食べ過ぎた翌日にやること・やらないこと
水を飲む・たんぱく質をとる・脂っこいものを控えめに
むくみを流すには、逆に水分をしっかりとる方が早いです。食事はいつも通りに戻すだけでOK。
食事を抜く・罰として激しい運動をする
抜くと夜に反動が来て、もっと食べてしまいます(私が何度もやった失敗です)。詳しくは下の関連記事にまとめています。
まとめ:体重は1日で判断しない
一晩の体重の増減は、ほぼ水分の出入りです。脂肪1kgには約7,200kcal必要なので、一晩では太れないし、一晩では痩せません。
だから体重は「今日の数字」ではなく「1週間の平均」、できれば「2週間の流れ」で見るのがおすすめです。1週間で戻りきらなくても、2週間前と比べてちょっとでも減っていれば◯。測り方のコツは別の記事にまとめました。
参考にした研究・資料
- 参考1:Olsson & Saltin(1970, Acta Physiologica Scandinavica)— 筋肉に貯まるグリコーゲンは水分とともに蓄えられる(糖1gに水約3g)
- 参考2:Helanderら(2014, Obesity Facts)— 体重は週末に増え平日に減る週単位のリズムを持つ
※研究は対象者や条件によって結果が変わります。数字はあくまで目安として紹介しています。
この記事は一般的な情報と運営者個人の体験をまとめたものです。効果には個人差があります。持病がある方、治療中の方、妊娠中の方は医師など専門家に相談してください。